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THE BOTHY BAND 「AFTER HOURS」



時は20世紀末、ケルト人楽士部隊が、ガリアの首都パリに攻め込む。ドーナル・ルニー将軍が率いるその楽士部隊の名は「The Bothy Band」。精鋭6名によるこの部隊は、保守的なトラッドスタイルをリズム武装して昇華させたユニゾン攻撃を得意とし、時には激しく、時にはじわじわと相手方を襲う。

歴史が教えるところによれば、理(ことわり)の通じない相手との交渉には2通りあって、1つはお互いの利害の一致を目論むか、もう1つは力で相手をねじ伏せるか、である。ところが、この精鋭部隊は楽々とその両方をやってのけている。前者は、人種が違っても遠い記憶の底にうごめくメロディの喚起や、リズム欲求を満たすことによって、そして後者は各人の異なる武器(楽器)による一糸乱れぬその圧倒的な演奏によって。相手方は、歓声と拍手をもって白旗を掲げている。目に見えぬ音符の飛び交う様は、まさに音による戦国絵巻。ここで繰り広げられるのは、ボタン1つで何万人も殺傷する科学の粋を集めた兵器による戦争(WAR)ではなく、オールドスタイルのいくさ(BATTLE)である。そこには人間の息遣いがあふれ、持っている力量がすべて試される「場」でもあった。

 この精鋭部隊は、母体となったプランクシティというバンドの革新性を受け継ぎ、発展させ、歴代のケルト人楽士部隊の中でもひときわ異彩を放ち、その名を不動のものとしている。血は流れないものの、緩急織り交ぜたスリリングな時間と熱気が、ここに記録として残されている。圧巻。

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