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BRIGITTE FONTAINE 「comme a la radio」

02

真夏の天候で、頭がやや日常からそれ気味になった時に、ある一曲を思い出す。このアルバムの5曲目に入っている「夏、夏」である。古いアルバムだが忘れられない、鈍くも妖しく光彩を放つ作品である。

 1970年制作で、フランス人のブリジット・フォンテーヌとアレスキー・ベルカセムの二人に、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ(以下AEC)がバックを務める。二人の音楽は多分に芸術至上主義的な志向と、ともすれば呪術的なまとまりのなさに陥る気配を内に持ちながら、無邪気さとひらめきにあふれていて放恣なものに聞こえる。そこにAECが硬く、知的なバッキングで受け止め、ゆるみを生じさせない程度の通奏低音的な緊張感を加えている。聴き終えた時に残るのは、日常から屹立した素朴とさえ思える歌声のみである。あとで気づかされるバッキングの凄さと紫色のジャケットもあいまって、このアルバムには静かな衝撃を受けた覚えがある。

 世界は思っているほど難しくなく、それでいて実は複雑なのだ。これを聴いてそんな風に思わされるのは私だけではないだろう。
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