ROBERTA FLACK & DONNY HATHAWAY

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N君へ

先日の手紙ではやや疲れ気味、との事だったが、調子はどうだ? 何かする事に疲れたのなら、何もしなければいいのだ。世の中、あまりにもする事が多くて困ってしまうよな。
多分君はよく知らないと思うが、古い音楽の話をしよう。「またマニアックな話?」と君は笑うだろうが。このアルバムは、1972年NYで録音・リリースされ、キャロル・キングの「君の友だち」を採り上げていることやエリック・ゲイルやチャック・レイニーといったバックミュージシャンの冴え、又、ストリングスの多用など、歌詞の面でもサウンド面でも、その時代を深々と反映しているものだ。それに加え、二人の姿勢には伝統をゆるがせにせず、黒人音楽というワクの内は言うに及ばず、ワクの外をも射程に入れた、その当時では新しい試みが認められる。だがそれ以上に光彩を放っているのは、ドニー・ハサウェイのヴォーカルで、特に⑥の「FOR ALL WE KNOW」は一瞬にして永遠と言うのにふさわしい。
 しかし、こんな風に他の人に曲やアーティストを営業活動する自分は一体何者だろう?とチラリと思ったりするが何者でもいいのではないだろうか? この前も中学生の姪にビートルズを教えてやった。すごくうれしそうだったので、こちらもうれしくなった。多分、そういうことなのだろう。
 人を喜ばせるのは、プレゼントだったり、笑顔だったり、パッションだったりするけど、ほんとうに喜ばせるのはその人の「あり方」なのかも知れない。「FOR ALL WE KNOW」がいつまでも記憶に残っているのは、ドニー・ハサウェイの「あり方」によるものなのだろうか?
 この曲が、少しでも君の疲れの薬になるといいのだが。ではまた。


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